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ヒロインズ
¥2,530
SOLD OUT
ケイト・ザンブレノ 著 西山敦子 訳 装丁:PRETEND Prints & Co. 表紙イラストレーション:カナイフユキ <C.I.P. BOOKS / 2018年7月 / 四六判 タテ188mm×ヨコ128mm・428頁> 彼女たちもこの道を、めちゃくちゃになりながら進んでいった —- すべてのトキシック・ガールのための反逆のマニフェスト 2009年、ケイト・ザンブレノは数年来取り憑かれてきたモダニズム作家の「妻や愛人たち」についてのブログを始めた。ときに偉大なる男性文学者のミューズになり協力者になるいっぽうで、自らの言葉を奪われ、名前を消されてしまった彼女たち。精神の病と診断されて苦悩の中で生涯を終え、あるいは自分も書きたいと思いながら叶わなかった女性たち。大学で働く夫の「妻」としてオハイオ州のアクロンという小さな町に暮らす無名な作家である自分。孤独や無力感、怒りを重ねつつ、ザンブレノはそんな文学史上の書き手とヒロインたちを〈私の見えないコミュニティ〉として描き出す。そうするうち、やがて新たに生成していくもうひとつのコミュニティが、そこに連なる。 文学とは何か、狂気とは? それを決めるのは誰か? 家父長の言葉が支配する枠組みの中で声を抑えられた女性たちに寄り添い、彼女たちの物語を響かせようとする試み。あらゆる引用とパーソナルな記録の断片を無限に重ね、織り合わせることで現れる〈私たち〉の姿とは。 本書で主に取り上げられるヒロインと作品たち ゼルダ・フィッツジェラルド/ヴィヴィアン・エリオット/ジェイン・ボウルズ/ヴァージニア・ウルフ/エンマ・ボヴァリー(『ボヴァリー夫人』)/アナイス・ニン/ジューン・ミラー/「私」(『黄色い壁紙』シャーロット・パーキンス・ギルマン)エドナ・ポンテリエ(『目覚め』ケイト・ショパン)/ジーン・リース/デューナ・バーンズ/ルイーズ・コレ/コレット・ペニョ(ロール)/ルチア・ジョイス/フランシス・ファーマー/ウニカ・チュルン/アンナ・カヴァン/エリザベス・ハードウィック/メアリー・マッカーシー/シルヴィア・プラス など など … … 著者紹介 ケイト・ザンブレノ 2009年に作家リディア・ユクナヴィッチの出版社キアスムス・プレスが主催した「Undoing the Novel」コンテストで見出され、0Fallen Angel で小説家デビュー。ほかの主な著作にGreen Girl (2011)、Book of Mutter (2017)など。新作小説や、エッセイと講演を収録した作品集など近刊の予定多数。2018年現在コロンビア大学などで教鞭をとる。ニューヨーク在住。 (C.I.P. BOOKS) 4、5年前のことだろうか?新宿のIRAで会ったダーティ(翻訳者・西山敦子)が、ケイト・ザンブレノという作家の本をこれから翻訳して出版すると、1人の女性の写真を見せてくれた。ダーティと、(同世代であろう)写真の女性の組みあわせに胸騒ぎがし、その時から出版をたのしみに待っていました。 きっと今、おなじ時間にそれぞれの場所でこの本を読んでいる人がいる、本を読みながらそんなふうに感じたのは初めてかもしれません。 静岡県三島市のオルタナティブ・スペースCRY IN PUBLICを拠点に活動する、西山敦子主宰の出版プロジェクトC.I.P. BOOKSの第一弾です!
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チェのさすらい
¥1,500
ラモン・チャオ 著 ウォズニャック:イラスト <トランジスター・プレス / 144頁> ラジオフランスから激動の現代史を見つめてきたラモン・チャオ。「マヌ・チャオの父」や「イグナシオ・ラモネの盟友」としても知られるガリシア人作家が、チェ・ゲバラの人生をドン・キホーテの遍歴と比較するユニークな手法で語る。 プロローグ/イグナシオ・ラモネ 自転車「ポデローサ(怪力)号」に乗って バイク「ポデローサ(怪力)2号」に乗って 一つの冒険の終わり 番外編 ラモン=チェ=ドン・キホーテ 検閲 年譜 ★ラモンのタトゥー 〜RAMON BOOK PROJECT blog.
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黄色い象
¥750
仲光 健一 英訳付 ラジオピープル・ブックスNO.2 <トランジスター・プレス / 116頁> 本書は、『12water stories magazine』2000年12月発行のNO.6winter issueに掲載された『黄色い象-Memphis TN 38152 U.S.A.-』のオリジナル・バージョン。目に見えない不安、目に見える暴力が渦巻く日々、繊細な心を失わずタフに生きるための勇気を、読む人の心にきっと伝えてくれる。 ローリング、ローリング。 ロック・ライフな詩人があなたに綴る手紙。 発行人の<トランジスタープレス>佐藤由美子さんによるおまけzine付き!
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「大震災」とわたし―Different Voices from Hiroshima 2011
¥1,000
高雄きくえ 編 <ひろしま女性学研究所 / 2012年発行 / A5・131頁> 目次 はじめに 第一章 移動する 五月、八月、九月、東北を訪ねて 東琢磨 ジャリジャリという音ー往還・遡行・迂回の日記 五月ロード 金子活美 継続して生きる<わたし>へ 高雄きくえ 「根こそぎ感」にとらわれて 武田惇志 おら、東北さ行っただ 九月ロード 上村里花 鈍色の海と満天の星空 溝口徹 かくして、映画館開館初の三日間休業を断行した 第二章 とどまる 清原さとし 越境することの恐怖 いさじ章子 文明の「老い」はせめて「粋」に 上村崇 「科学」から「神話」へー五感を超えた身体技法 ウルリケ・ヴェール 「脱原発」の多様性と政治性を可視化する ージェンダー・セクシュアリティ・エスニシティの観点から 小田智敏 ゴジラと原発 柿木伸之 「復興」を越える 平井和子 フェミニズムの存在が問われている ー原発・男女共同参画・ジェンダー 前川仁 脱原発から反原発へー反原発は反差別闘争 行友太郎 「震災本」に反対する声明 おわりに
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言葉が生まれる、言葉を生む
¥1,800
カルチュラル・タイフーン 2012 広島 ジェンダー・フェミニズム篇 <ひろしま女性学研究所 / 2013.7 / A5・232頁) 高雄きくえ 「はじめに」に代えて "異なる声"が響きあう 第1章「女性化」の今日的意味を問うー広島と沖縄の回路を拓くために 阿部小涼 ヘイト・スピーチ、抗議の言葉、沖縄における言説の闘争 新城郁夫 脱国家のジェンダー・ポリティクスー沖縄と広島と難民 田崎真奈美 night picnic:新たな現場を紡ぐ 第2章 女の「語り」 村上陽子 原爆文学と批評ー大田洋子をめぐって 中岡志保 「旧軍港市転換法」(1950年)成立後の呉をめぐる記憶ー朝日遊郭の女性た ちのその後 第3章「差異」と「多様性」をことほぐ クィア/フェミニズムを超えて 寛容/脱原発女子デモ/ばなな 風間孝 寛容というホモフォビア 菊地夏野 大阪・脱原発女子デモからみる日本社会の(ポスト)フェミニズムーストリートとアンダーグラウンドの政治 黒岩裕市「多様な性」の問題性ーよしもとばななの小説を手がかりに 第4章 瀬戸内から世界へー「ローカリティ/ジェンダー/ことば」をめぐる地方文化の現在 中垣恒太郎 瀬戸内から世界へー「ローカリティ/ジェンダー/ことば」をめぐる地方文化の現在 ロナルド・スチュワート 英語版『はだしのゲン』ー世界へ届く広島地域性の行方 杉田このみ 今、地方で物語をつくるということー映像制作プロジェクト『今日、この島に私がいます』の取り組みについて 第5章 原子力事故後を考えるー計画運動、フェミニズム、テクノロジー 江上賢一郎 森元斎 放射能戦時下の「アート=生きる技術」 上村崇 「おわりに」に代えて 新たな詩と声明にむけてー紡がれた言葉に贈る言葉
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具体性の哲学
¥2,860
森元斎 著 < 2015年11月 / 以文社 / 四六判上製 / 320頁 > □ 目次 【 第Ⅰ部 具体的なもののほうへ 】 1章 ホワイトヘッドとラッセルにおける空間論の交差と乖離 0 はじめに 1 手紙を巡って 2 ホワイトヘッドの空間論 3 ラッセルの感覚与件論 4 なぜ二人は袂を分かったのか 2章 ホワイトヘッドと相対性理論 0 はじめに 1 アインシュタインの相対性理論と哲学 2 ホワイトヘッドと相対性理論 3 ホワイトヘッドの重力論 4 革命的なアインシュタインとオルタナティヴなホワイトヘッド 5 ホワイトヘッド哲学における生成 3章 経験の雫――ホワイトヘッドとベルクソン 0 はじめに 1 相対論を引き受けたうえで哲学を展開すること 2 ベルクソンの持続と同時性 3 ホワイトヘッドの自然科学 4 後期ホワイトヘッド哲学から 5 経験の雫 4章 不共可能性のほうへ ――ライブニッツ主義ドゥルーズによるホワイトヘッド哲学 0 はじめに 1 出来事 2 延長と内包 3 個体と抱握 4 永遠的対象 5 ドゥルーズによるホワイトヘッドとライブニッツ 6 『シネマ1』から 7 おわりに 5章 実在について――シャヴィロとハーマンへの応答 0 はじめに 1 ハーマンのホワイトヘッド 2 シャヴィロ、ハーマンへの応答 3 ハーマンへの応答 4 さいごに 【 第Ⅱ部 形而上学のほうへ 】 1章 生成と主体 0 はじめに 1 『自然認識の諸原理』における出来事と生成 2 『自然という概念』における進入と感覚覚知 3 『過程と実在』における生成と主体 4 まとめ 2章 抱握について ――ホワイトヘッド『科学と近代世界』における抱握概念の誕生 0 はじめに 1 たんに位置を占めるという性質 2 抱握概念の誕生 3 抱握と出来事 3章 具体性の詩と科学から概念の自由で野性的な創造へ 0 はじめに 1 詩と具体性――ホワイトヘッドとシェリー 2 主体性のほうへ 3 感得と具体性――「感得のための誘因」と「置き違えられた具体性の誤謬」 4 まとめ 【 第Ⅲ部 生成のほうへ 】 1章 現実的存在とは何か 0 はじめに 1 自然の出来事――ミクロかマクロか 2 モナドとしての現実的存在ないし現実的契機 3 まとめ 2章 生成消滅の形而上学 0 はじめに 1 原子化 2 抱握の諸段階 3 おわりに 【 第Ⅳ部 アナキズムのほうへ 】 1章 具体性の知恵――ホワイトヘッド、ラトゥール、ステンゲルス 0 はじめに 1 合生と過程の知 2 スロー科学のほうへ 3 具体性の知恵 2章 知恵と生――ベルクソン、大杉、ホワイトヘッド 0 はじめに 1 生 2 直観 3 哲学 4 生の哲学、あるいはアナキズム 3章 アナキズムのほうへ、おもむろに――ホワイトヘッド、鶴見、金子 0 はじめに 1 現実における対象的不滅性 2 金子ふみ子のアナキズム 3 ホワイトヘッド哲学からアナキズムへ 4 おわりに あとがき ホワイトヘッド参照文献 欧語参照文献 邦語参照文献 福岡の哲学者・森元斎の初単著となる本書は、アインシュタインの相対性理論やベルグソンの生成という観点を抱合した〈抱握〉という概念を視座に、難解といわれ続けたホワイトヘッドの『過程と実在』を平易に解説した哲学書です。しかしその解読に終わることなく、ジル・ドゥルーズやドゥルーズとホワイトヘッドに触発されて議論を展開しているシャヴィロとハーマンなどの研究を踏まえながら、〈主体性〉と抱握、生成のテーマを通じ、現代の資本主義が、放射性物質が、有機水銀が私たちの生をむしばむとき、具体的な生の営みの何たるかを問う、若い世代による壮大で野性的な思索です。 『私たちは資本主義に、放射能に、からだが蝕まれる中、具体的な生とは何かを問わざるをえない。本書はホワイトヘッド哲学を、その中心に響き渡る具体性という視座のもと読解したものだ。ゆっくりと、着実に、具体的なものを自らの手に!』〜著者より 森 元斎(もり もとなお) 1983年東京生まれ。中央大学文学部卒業、大阪大学大学院人間科学研究科博士課程修了。博士(人間科学)。現在、九州産業大学・龍谷大学非常勤講師。 専攻:哲学、思想史。 共著に『VOL エピステモロジー』(以文社、2011年)、『被爆社会年報』(新評論、2013年)、『「はだしのゲン」を読む』(河出書房新社、2014年)。 共訳書に『ギリシア デフォルト宣言』(河出書房新社、2015年)など。
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原子力都市
¥1,760
矢部史郎 著 <以文社 / 四六判・192頁> 本書に収められたエッセーは、二〇〇六年から二年間のあいだ、いくつかの土地を歩き書いたものだ。 「原子力都市」は、「鉄の時代」の次にあらわれる「原子の時代」の都市である。 「原子力都市」は輪郭を持たない。「原子力都市」にここやあそこはなく、どこもかしこもすべて「原子力都市」である。 それは、土地がもつ空間的制約を超えて海のようにとりとめなく広がる都市であるー本書「序」より 目次 序 (旧) 上九一色村 サティアン跡 呉 ー 砂丘 演習 京都 むつ 川口 ー 日本ピラミッド 硫黄島 広島 両国 隅田川テラス ー 恐山 圏央道 つくばジャンクション 藤里町 厚木 幽霊病院 総論 原子力都市と海賊 教育と都市について あとがき 矢部史郎(やぶしろう) 1971年生。 90年代からさまざまな名義で文章を発表し、 社会運動の新たな思潮を形成した一人。 高校を退学後、とび職、工員、書店員、 バーテンなど職を転々としながら。 独特の視点と文体で執筆活動を続けている。 人文・社会科学の分野でも異彩をはなつ 在野の思想家。
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3・12の思想
¥1,760
矢部史郎 著 <以文社 / 四六判・160頁> 目次 はじめに Ⅰ はじまりとしての3・12 「三・一二」公害事件 原子力国家とはなにか 東京の未来 子どもと労働者への「無関心」 国内難民と母親たち 「外国人」としての避難民 Ⅱ 放射能測定という運動 放射能計測運動の基礎 検出限界の問題 セシウム134を検出すること セシウムの作物移行を低減させることの問題 国が発表する空間線量の問題 「サンプル」調査の限界 誰が危険にさらされているか オートポイエーシス的運動 Ⅲ 3・12の思想 原子力資本主義、そして〈帝国〉 原子力のある社会 エコロジーとはなにか 放射能被害と新たなる集団性 世界の原子力体制 科学と魔術 今後、世界といかに接していくか あとがき 矢部 史郎(やぶしろう)) 1971年生まれ、 90年代からさまざまな名義で文章を発表し、 社会運動の新たな思潮を形成した一人。 人文・社会科学の分野でも異彩を放つ思想家。 著書に 『原子力都市』(以文社) 『愛と暴力の現代思想』(青土社、山の手緑との共著) 『無産大衆神髄』 (河出書房新社、山の手緑との共著) 編著に『VOL lexicon』がある。
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新約 ビート・ジェネレーション
¥1,600
SOLD OUT
北口 幸太 著 <transistor press / 2014年7月18日発行 / 110mmx170mm・ソフトカバー・239頁 > CONTENTS はじめに 第1章 ビート・ジェネレーションとは 第2章 1950年代のアメリカ社会 2-1 政治 / 外交 2-2 人種問題と黒人文化 2-3 経済 2-4 文化 2-5 アメリカ文学 (1945〜1969) 第3章 ビート・ジェネレーションを探求する 3-1 Thinking ビート・ジェネレーション 3-2 戦後ビートはなぜ生まれたか? 3-3 ビートニクな人々 3-4 『路上 On The Road』 第4章 ビート・ジェネレーションが与えた影響 60年代へ 次の世代へ 第5章 1970→NOW 最後に 寄稿 ある日の出来事 (山崎 裕) 新約 ビート・ジェネレーションに寄せて (黒崎 正和) 見えない共和国 (佐藤由美子) 1965年、諏訪優の『ビート・ジェネレーション』が出版された。諏訪優は同時代の詩人として、生の声を伴ってビートの神髄を伝えた。 『新約 ビート・ジェネレーション』の著者・北口幸太はビートの孫の世代にあたり、その後を知り、その後から考える。現在からビートを照射することで、今と繋ぐ。今にビートを再生する。
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ジャック・ケルアックと過ごした日々 "You'll be Okay"
¥2,400
SOLD OUT
イーディ・ケルアック=パーカー 著 ティモシー・モラン/ビル・モーガン 編 前田美紀/ヤリタミサコ 訳 <トランジスター・プレス > 舞台は『路上』前夜の1940年代 、ニューヨーク。 ケルアックの最初の妻で永遠のミューズ、イーディによる回想録。 彼女は、ケルアック、ギンズバーグ、ハンキー、後のビート代表作家たちとの出会いを作った人物である。 また本書は、ビートジェネレーション黎明期を伝える唯一の女性の声でもあり、ケルアックからイーディに宛てた未発表の手紙を含め、今まで知られることがなかった生の輝きに満ちたケルアックの声が語られている。 そのため、本国アメリカでビート研究の歴史を変えた一冊となった。
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ゴスペル
¥750
SOLD OUT
佐藤わこ 英訳付 ラジオピープル・ブックスNO.1 <トランジスター・プレス / 128頁> 1999年1月、ポエトリー・リーディングを中心に活動する詩人佐藤わこは、ミレニアムに向けて西荻窪「ハートランド」で長編詩「ゴスペル」を朗読した。それは愛や平和だけでは語り切れない地球規模の危機が続く21世紀のヴィジョンを私たちに伝え、もう一つの世界の扉を開く希望の声だった。 東京ポエトリーシーンのパイオニア佐藤わこの初めての詩集。 発行人の<トランジスタープレス>佐藤由美子さんによるおまけzine付き。 "ラジオピープル・ブックスの特徴" 1.耳を全開にして超低音波の声をキャッチ (有名無名に関係なく本当に心を動かされた作品を本にしています) 2.逆立ちするともう1つの世界へ (トランジスター・イリュージョン。たちまち英文表記に) 3.指で感じる本 (ページを開くとき何か違いを体感。リアル本だからのこだわり!)
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VOL.05
¥2,400
SOLD OUT
特集 エピステモロジー 知の未来のために VOL Collective 編 責任編集=金森修 / 近藤和敬 / 森元斎 <以文社 / 2011年6月30日 / A5変形・277頁> 思想誌『VOL』の第5号は、エピステモロジー(科学認識論)を特集する。震災後の世界で明らかになったのは、いまこそ科学、つまり私たちの「自然に対する認識の枠組」を根本から変えるときである、ということではないか。〈知〉の攪乱・交雑を生じさせ、近代的な〈知〉の枠組に揺さぶりをかけるべく、第一線のエピステモローグたちが才筆をふるう。 目次 1.宣言/問題提起 宣言文(近藤和敬&森元斎) 「来たるべきエピステモロジー」 近藤和敬 「カヴァイエスの問題論的観点からみた科学的構造の生成―来るべきエピステモロジーのために」 2.真理論 中村大介 「問題としてのイデアと-なる〈宇宙〉―アルベール・ロトマンのハイデガー読解」 原田雅樹 「数学と哲学における操作、対象、経験―フッサールのノエシス-ノエマ相関とグランジェの操作-対象双対」 ジャン=トゥサン・ドゥサンティ(中村大介訳、解題)「エピステモロジーとその身分」 3.経験論 ガストン・バシュラール(森元斎訳、解題) 「相対論概念の哲学的弁証論」 三宅岳史 「カオス研究前史と決定論をめぐる論争―初期値鋭敏性と特異点に関する哲学的考察」 森元斎 「経験の雫―経験論的エピステモロジーを展開するために」 4.主体論 ステリン・ローラン 「シモンドンにおける存在の問いとしての個体発生」 パスカル・ジロ(近藤和敬訳、解題) 「科学とイデオロギーのあいだ―ルイ・アルチュセールと主体の問い」 アラン・バディウ(松本潤一郎訳、解題) 「ジャン=ポール・サルトル(1905-1980)」 5.社会論 金森修 「エピステモロジーに政治性はあるのか?」 西迫大祐 「フーコー、ベルヌーイ、ダランベール―天然痘の予防とリスクについて」 ブルーノ・ラトゥール(村澤真保呂訳、解題) 「〈社会的なもの〉の終焉―アクターネットワーク理論とガブリエル・タルド」 6.鼎談 小泉義之/米虫正巳/檜垣立哉 「ドゥルーズ哲学をエピステモロジーとして読む」
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VOL.04 都市への権利 / モビライゼーション
¥2,200
SOLD OUT
VOL Collective 編 責任編集 田崎英明 / 白石嘉治 / 木下ちがや / 平田周 <以文社 / 2010年4月30日 / 四六判変形判・320頁> 金融恐慌以降、「空間」をめぐる問いはかつてなく先鋭化し、世界のあらゆる場所が「都市化」をめぐる闘争の場となった。思想誌『VOL』待望の第4号! 巻頭討議 新しいアナキズムのために 『新しいアナキズムの系譜学』 『資本主義後の世界のために』をめぐって」 高祖岩三郎 栗原康 酒井隆史 桜田和也 白石嘉治 田崎英明 仲田教人 平沢剛 松本麻里 矢部史郎 特集 都市への権利/モビライゼーション インタビュー 新たな都市の時空へ 田崎英明(聞き手・平田周) 都市への権利 デヴィッド・ハーヴェイ(平田周訳) 場所闘争のためのノート ー ローカルの都市、都市におけるローカリティ 宇城輝人 インタビュー 『国道20号線』から『サウダーヂ』へ 富田克也+相沢虎之助(聞き手・五所純子、前瀬宗祐) 空間の構築について 篠原雅武 メトロポリタン・ファクトリー/都市の隅々にまで拡がる資本主義的搾取 スティーブン・シュカイタス+ヴァレリア・グラチアノ(木下ちがや訳) コラム 戦後日本における空間占拠の事例、そのエッセンス 01 02 03 栗原康 移動=運動=存在としての移民――ヨーロッパの「入口」としてのイタリア・ランペドゥーザ島の収容所 北川眞也 妄想のパブリックアート@御堂筋 吉澤弥生 書評 グローバル・ネオリベラリズム以後の都市/東京を読み解くために――サスキア・サッセン『グローバル・シティ』の邦訳刊行によせて 丸山真央 書評 過剰人類の氾濫――マイク・デイヴィス『スラムの惑星』を読む 原口剛 ソーシャルメディア――社会をひらくメディア/媒介する社会(横浜国際映画祭セッションレポート) 吉澤弥生 「蜂起 Insurrection」 メトロポリスと蜂起」にまつわるノート Trans-J Impetus メトロポリスの建築に関わる理論的諸問題 co.op/t かくして、メトロポリスに狼たちが a.n. どうしたらいいか? Tiqqun アテネの労働者から学生たちへ 言葉と身ぶりと共謀――不可視委員会 『来るべき蜂起』刊行によせて 谷口清彦+永田淳 VOL / BOOK 国家批判におけるマルクスの「貫徹」?――ネグリ/ハート『ディオニュソスの労働――国家形態批判』 柏崎正憲 砂漠からの離脱について 和泉亮 崩壊を生き延び、その帰結に立ち会うことを促す一冊――フランコ・ベラルディ『プレカリアートの詩――記号資本主義の精神病理学』 松本潤一郎 VOL / SPECIAL: ジョン・ホロウェイ小論――「問いかけ」による組織化をめぐって 高祖岩三郎 大逆事件再考――過去は死なない 徳永理彩 インタビュー 海賊的アナキズムの詩学」ハキム・ベイ(聞き手・松本麻里、高祖岩三郎)萩谷海訳
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VOL.01 政治とはなにか アヴァン・ガーデニング
¥2,200
SOLD OUT
萱野稔人、高祖岩三郎、酒井隆史、渋谷望、白石嘉治、田崎英明、平沢剛、松本潤一郎、松本麻里、矢部史郎、デヴィッド・グレーバー、ジム・フレミング 編 <以文社 / 2006年5月15日 / B5変形並製カバー装・206頁> VOLUME ONE WHAT IS THE POLITICAL DISCUSSION 討議 「政治とはなにか」白石嘉治+酒井隆史+田崎英明+萱野稔人+松本潤一郎 MONOGRAPHS 「政治についての10のテーゼ」ジャック・ランシエール/杉本隆久+松本潤一郎=訳 「ドゥルーズと可能的なもの――政治における非主意主義について」フランソワ・ズーラビクヴィリ/大山載吉=訳 「政治・平等・出来事――いま政治を考えるためのブックガイド」酒井隆史 「無意識と政治――ドゥルーズ・ジジェク・バディウ」松本潤一郎 「何も起こらない世界――延命か中断か」篠原雅武 ESSAYS 「埒外な彼女たち・埒外な取引」松本麻里 「収奪とミクロ搾取――マイク・デイヴィス『スラムの惑星』について」ケン・カワシマ/比嘉徹徳=訳 「(小さな)政治が充満する」矢部史郎 「亡霊たちのブローバック」渋谷望 SERIAL INTERVIEW Global Activism, Global Theory 01 「新しいアナーキズムの政治」デヴィッド・グレーバー/高祖岩三郎=聞き手 History of Movements 01 「運動のオートノミーをめぐって」粉川哲夫/平沢剛=聞き手 VOLUME TWO – AVANT-GARDENING MONOGRAPHS 「アヴァン・ガーデニング」ピーター・ランボーン・ウィルソン(ハキム・ベイ)/金田智之=訳 「庭=運動〔アヴァン・ガーデニング〕以後」高祖岩三郎 「VIVA ロイサイダ・リブレ」ビル・ワインバーグ/近藤真里子=訳 「集客都市の暴力」原口剛 INTERVIEW 「大地の奪還をめざして」ラファエル・ブエノ/高祖岩三郎+酒井隆史=聞き手/比嘉徹徳=訳 ESSAYS 「NYコミュニティガーデン盛衰史」トシダ・ミツオ 「台所とお化けたち」五所純子 「世界を震撼させなかった3日間のように」究極Q太郎 「コインランドリー・グルーヴ――生き抜くために必要なこと」RADIO MAROON 「ゲリラ・ガーデニング N.Y.C.」アゲマツ・ユウジ VOL/CRITIC VOL/BOOK 「PSE法は階級の問題である」二木信 「西成の〈経験〉――SHINGO☆西成というラッパーについて」村上潔 「〈帝国〉を追いかけて 富山妙子の仕事」菊池亮 「IRREGULAR RHYTHM ASYLUMヨリ」成田圭祐 「文学の名において――ネオリベラリズムに抗するために」白石嘉治 「都市空間をめぐるアート/闘争、そして活動家〔アクティヴィスト〕の理論」高祖岩三郎
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山谷への回廊
¥2,500
SOLD OUT
写真家・南條直子の記憶1979-1988 編著 織田忍 発行『山谷への回廊』刊行会 <変形版/26O頁> 「アフガン潜入を果たした初の日本人女性カメラマン」——そのような表現で取り上げられることの多い南條ではあるが、実は大阪・釜ヶ崎、横浜・寿町といった寄せ場に関わり、撮影対象として日雇労働者の街「山谷」に対峙し続けていたことはあまり知れれていない。というのもそこは、南條にとってみればのたうち転げ回った場所でもあるからだった。 目次 プロローグ 第一章 ゆらめき惑う行路 第二章 記憶のはじまり Ⅰ くらし・ひと・風景 Ⅱ 80-81越年越冬闘争 Ⅲ 山谷夏まつり 第三章 新たなるうねり Ⅰ 4・25暴動 Ⅱ 全国日雇労働組合協議会結成 Ⅲ 82-82越年越冬闘争 第四章 激化する金町一家戦 第五章 寄せ場群像 エピローグ 関連年表 著者あとがき
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被爆社会年報 #01
¥2,000
SOLD OUT
現代理論研究会 編 <新評論 / A5判並製・232頁> 福島第一原発事故から2年弱が経過し、巷間にはあたかも「放射能の危機は去った」という空気が瀰漫しているかのように見える。 しかし、われわれの眼前には依然として、人類史上類を見ない規模の「被曝社会」が出現している。 「われわれは被曝社会に生きている」と明言することすら、「復興」の名のもとに批判される夜警的現状のなかで、しかしわれわれは、心の奥底におおきな絶望を抱えつつも、他方でこれまでにないおおきな自由を感じてもいるのではないか。 それは、屈辱と悲しみのなかで発見されたより深い次元の「自由」であり、それを知った者は、昨日とは違った仕方で考え、著すだろう。 この年報が企図するのは、そうした自由な思考の到来を期して、その表現の舞台を用意し、そこから編みなおされる新たな世界観を読者とともに鍛錬していくことである。 現代理論研究会 目次 『被曝社会年報』発刊の辞 巻頭随筆「あの日 わたしは、...11/03/2011」 受認・否認・錯覚 閾値仮説のなにが問題か 矢部史郎 プロメテウスの末裔 放射能という名の本源的蓄積と失楽園の史的記憶 マニュエル・ヤン 民衆科学詩 暗闇から毒を押し返す 森元斎 いつ、いかなる場所でも、いかなる人による、いかなる核物質の「受け入れ」も拒否する 「新自由主義的被曝」と「反ネオリベ的ゼロベクレル派の債務」に関する試論 田中伸一郎 主婦は防衛する 暮らし・子ども・自然 村上潔 仏教アナキズムの詩学 一遍上人の踊り念仏論 栗原康 なぜならコミュニズムあるがゆえに アンナ・R 家族同盟 核汚染のコミュニズム 白石嘉治
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「ヒロシマ以後」の広島に生まれて
¥1,000
SOLD OUT
平井和子 著 <ひろしま女性学研究所 / 2007年発行 / A5・116頁> 国と地方で綱引きの最前線にある男女共同参画政策の磁場でがんばる職員や市民への応援を込めて、暮らしをジェンダー視点で見つめる。 また広島の爆心地に本籍を持つ戦後生まれの著者が、ヒロシマを継承するための一つの試みとして、オーラル・ヒストリーを提唱する。女性史への熱い思いを込めて。
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平和構築ってなんですか?
¥500
SOLD OUT
ヒロシマズ・ノート : 愚直に、間抜けに、ヒロシマを問う 1 東琢磨・高雄きくえ 編 <ひろしま女性学研究所 / 2009.7.20発行 / A4・40頁> 広島には、「平和」をめぐる言葉が溢れ、平和教育・平和運動・平和行政がさかんであるかのように思われている。はたして、そうか? ここで問題になるのは、その一方で、平和教育が危機にさらされているとか、そういったこともあるだろう。 しかし、今回、私たちは、ちょっとより複雑とも思える状況に対しての違和感をコトバにしてみた。(あとがきより)
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なぎ食堂のベジタブル・レシピ
¥1,470
SOLD OUT
小田晶房 2007年の冬、東京・渋谷にオープンしたヴィーガン料理の食堂『なぎ食堂』のレシピブック。タイ、和食、中華、イタリアン、スペイン、インド、インドネシアの各国創作ベジ・メニューがたっぷりとベジタリアンのミュージシャンへのインタビューも収録。 小田晶房 2000年、福田教雄(SweetDreams)と共に音楽誌『map』を発刊。その後も多数の海外ミュージシャンの招聘、書籍の刊行を行なう。インディペンデント・レーベル「compass tone/compare notes」のレーベル・オーナーでもある。2007年「なぎ食堂」をオープン。2013年は久々に雑誌を刊行するのとアナログ・レコード制作に邁進することが目標。 なぎ食堂 http://nagishokudo.com/