ヒロインズ
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ケイト・ザンブレノ 著
西山敦子 訳
装丁:PRETEND Prints & Co.
表紙イラストレーション:カナイフユキ
<C.I.P. BOOKS / 2018年7月 / 四六判 タテ188mm×ヨコ128mm・428頁>
彼女たちもこの道を、めちゃくちゃになりながら進んでいった —-
すべてのトキシック・ガールのための反逆のマニフェスト
2009年、ケイト・ザンブレノは数年来取り憑かれてきたモダニズム作家の「妻や愛人たち」についてのブログを始めた。ときに偉大なる男性文学者のミューズになり協力者になるいっぽうで、自らの言葉を奪われ、名前を消されてしまった彼女たち。精神の病と診断されて苦悩の中で生涯を終え、あるいは自分も書きたいと思いながら叶わなかった女性たち。大学で働く夫の「妻」としてオハイオ州のアクロンという小さな町に暮らす無名な作家である自分。孤独や無力感、怒りを重ねつつ、ザンブレノはそんな文学史上の書き手とヒロインたちを〈私の見えないコミュニティ〉として描き出す。そうするうち、やがて新たに生成していくもうひとつのコミュニティが、そこに連なる。
文学とは何か、狂気とは? それを決めるのは誰か?
家父長の言葉が支配する枠組みの中で声を抑えられた女性たちに寄り添い、彼女たちの物語を響かせようとする試み。あらゆる引用とパーソナルな記録の断片を無限に重ね、織り合わせることで現れる〈私たち〉の姿とは。
本書で主に取り上げられるヒロインと作品たち
ゼルダ・フィッツジェラルド/ヴィヴィアン・エリオット/ジェイン・ボウルズ/ヴァージニア・ウルフ/エンマ・ボヴァリー(『ボヴァリー夫人』)/アナイス・ニン/ジューン・ミラー/「私」(『黄色い壁紙』シャーロット・パーキンス・ギルマン)エドナ・ポンテリエ(『目覚め』ケイト・ショパン)/ジーン・リース/デューナ・バーンズ/ルイーズ・コレ/コレット・ペニョ(ロール)/ルチア・ジョイス/フランシス・ファーマー/ウニカ・チュルン/アンナ・カヴァン/エリザベス・ハードウィック/メアリー・マッカーシー/シルヴィア・プラス など など … …
著者紹介 ケイト・ザンブレノ
2009年に作家リディア・ユクナヴィッチの出版社キアスムス・プレスが主催した「Undoing the Novel」コンテストで見出され、0Fallen Angel で小説家デビュー。ほかの主な著作にGreen Girl (2011)、Book of Mutter (2017)など。新作小説や、エッセイと講演を収録した作品集など近刊の予定多数。2018年現在コロンビア大学などで教鞭をとる。ニューヨーク在住。
(C.I.P. BOOKS)
4、5年前のことだろうか?新宿のIRAで会ったダーティ(翻訳者・西山敦子)が、ケイト・ザンブレノという作家の本をこれから翻訳して出版すると、1人の女性の写真を見せてくれた。ダーティと、(同世代であろう)写真の女性の組みあわせに胸騒ぎがし、その時から出版をたのしみに待っていました。
きっと今、おなじ時間にそれぞれの場所でこの本を読んでいる人がいる、本を読みながらそんなふうに感じたのは初めてかもしれません。
静岡県三島市のオルタナティブ・スペースCRY IN PUBLICを拠点に活動する、西山敦子主宰の出版プロジェクトC.I.P. BOOKSの第一弾です!
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