被爆社会年報 #01
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現代理論研究会 編
<新評論 / A5判並製・232頁>
福島第一原発事故から2年弱が経過し、巷間にはあたかも「放射能の危機は去った」という空気が瀰漫しているかのように見える。
しかし、われわれの眼前には依然として、人類史上類を見ない規模の「被曝社会」が出現している。
「われわれは被曝社会に生きている」と明言することすら、「復興」の名のもとに批判される夜警的現状のなかで、しかしわれわれは、心の奥底におおきな絶望を抱えつつも、他方でこれまでにないおおきな自由を感じてもいるのではないか。
それは、屈辱と悲しみのなかで発見されたより深い次元の「自由」であり、それを知った者は、昨日とは違った仕方で考え、著すだろう。
この年報が企図するのは、そうした自由な思考の到来を期して、その表現の舞台を用意し、そこから編みなおされる新たな世界観を読者とともに鍛錬していくことである。 現代理論研究会
目次
『被曝社会年報』発刊の辞
巻頭随筆「あの日 わたしは、...11/03/2011」
受認・否認・錯覚 閾値仮説のなにが問題か 矢部史郎
プロメテウスの末裔 放射能という名の本源的蓄積と失楽園の史的記憶 マニュエル・ヤン
民衆科学詩 暗闇から毒を押し返す 森元斎
いつ、いかなる場所でも、いかなる人による、いかなる核物質の「受け入れ」も拒否する 「新自由主義的被曝」と「反ネオリベ的ゼロベクレル派の債務」に関する試論 田中伸一郎
主婦は防衛する 暮らし・子ども・自然 村上潔
仏教アナキズムの詩学 一遍上人の踊り念仏論 栗原康
なぜならコミュニズムあるがゆえに アンナ・R 家族同盟
核汚染のコミュニズム 白石嘉治
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