具体性の哲学
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森元斎 著
< 2015年11月 / 以文社 / 四六判上製 / 320頁 >
□ 目次
【 第Ⅰ部 具体的なもののほうへ 】
1章 ホワイトヘッドとラッセルにおける空間論の交差と乖離
0 はじめに
1 手紙を巡って
2 ホワイトヘッドの空間論
3 ラッセルの感覚与件論
4 なぜ二人は袂を分かったのか
2章 ホワイトヘッドと相対性理論
0 はじめに
1 アインシュタインの相対性理論と哲学
2 ホワイトヘッドと相対性理論
3 ホワイトヘッドの重力論
4 革命的なアインシュタインとオルタナティヴなホワイトヘッド
5 ホワイトヘッド哲学における生成
3章 経験の雫――ホワイトヘッドとベルクソン
0 はじめに
1 相対論を引き受けたうえで哲学を展開すること
2 ベルクソンの持続と同時性
3 ホワイトヘッドの自然科学
4 後期ホワイトヘッド哲学から
5 経験の雫
4章 不共可能性のほうへ
――ライブニッツ主義ドゥルーズによるホワイトヘッド哲学
0 はじめに
1 出来事
2 延長と内包
3 個体と抱握
4 永遠的対象
5 ドゥルーズによるホワイトヘッドとライブニッツ
6 『シネマ1』から
7 おわりに
5章 実在について――シャヴィロとハーマンへの応答
0 はじめに
1 ハーマンのホワイトヘッド
2 シャヴィロ、ハーマンへの応答
3 ハーマンへの応答
4 さいごに
【 第Ⅱ部 形而上学のほうへ 】
1章 生成と主体
0 はじめに
1 『自然認識の諸原理』における出来事と生成
2 『自然という概念』における進入と感覚覚知
3 『過程と実在』における生成と主体
4 まとめ
2章 抱握について
――ホワイトヘッド『科学と近代世界』における抱握概念の誕生
0 はじめに
1 たんに位置を占めるという性質
2 抱握概念の誕生
3 抱握と出来事
3章 具体性の詩と科学から概念の自由で野性的な創造へ
0 はじめに
1 詩と具体性――ホワイトヘッドとシェリー
2 主体性のほうへ
3 感得と具体性――「感得のための誘因」と「置き違えられた具体性の誤謬」
4 まとめ
【 第Ⅲ部 生成のほうへ 】
1章 現実的存在とは何か
0 はじめに
1 自然の出来事――ミクロかマクロか
2 モナドとしての現実的存在ないし現実的契機
3 まとめ
2章 生成消滅の形而上学
0 はじめに
1 原子化
2 抱握の諸段階
3 おわりに
【 第Ⅳ部 アナキズムのほうへ 】
1章 具体性の知恵――ホワイトヘッド、ラトゥール、ステンゲルス
0 はじめに
1 合生と過程の知
2 スロー科学のほうへ
3 具体性の知恵
2章 知恵と生――ベルクソン、大杉、ホワイトヘッド
0 はじめに
1 生
2 直観
3 哲学
4 生の哲学、あるいはアナキズム
3章 アナキズムのほうへ、おもむろに――ホワイトヘッド、鶴見、金子
0 はじめに
1 現実における対象的不滅性
2 金子ふみ子のアナキズム
3 ホワイトヘッド哲学からアナキズムへ
4 おわりに
あとがき
ホワイトヘッド参照文献
欧語参照文献
邦語参照文献
福岡の哲学者・森元斎の初単著となる本書は、アインシュタインの相対性理論やベルグソンの生成という観点を抱合した〈抱握〉という概念を視座に、難解といわれ続けたホワイトヘッドの『過程と実在』を平易に解説した哲学書です。しかしその解読に終わることなく、ジル・ドゥルーズやドゥルーズとホワイトヘッドに触発されて議論を展開しているシャヴィロとハーマンなどの研究を踏まえながら、〈主体性〉と抱握、生成のテーマを通じ、現代の資本主義が、放射性物質が、有機水銀が私たちの生をむしばむとき、具体的な生の営みの何たるかを問う、若い世代による壮大で野性的な思索です。
『私たちは資本主義に、放射能に、からだが蝕まれる中、具体的な生とは何かを問わざるをえない。本書はホワイトヘッド哲学を、その中心に響き渡る具体性という視座のもと読解したものだ。ゆっくりと、着実に、具体的なものを自らの手に!』〜著者より
森 元斎(もり もとなお)
1983年東京生まれ。中央大学文学部卒業、大阪大学大学院人間科学研究科博士課程修了。博士(人間科学)。現在、九州産業大学・龍谷大学非常勤講師。
専攻:哲学、思想史。
共著に『VOL エピステモロジー』(以文社、2011年)、『被爆社会年報』(新評論、2013年)、『「はだしのゲン」を読む』(河出書房新社、2014年)。
共訳書に『ギリシア デフォルト宣言』(河出書房新社、2015年)など。
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