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Whiplush Wave

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UG KAWANAMI (BLACK SHEEP / U.G. MAN)
<Reelin・Reelin-004 / 2020年6月 / CDR>

UG KAWANAMI によるハウスミックス、プライベートレーベルReelinからのリリース第4弾。
2020年10月『RUMBLE』のリリースにあわせて、前作『Whiplush Wave』についても改めてUG KAWANAMI氏に話を聞きました。

◾︎『Whiplush Wave』がどんなミックスかっていうのを河南さんから聞きたいです。

『Whiplash Wave』っていうのは、タイトルは後から考えてつけたんですけど、それはその内容に即す感じで、まあこんなイメージっていうか、そういう名前をつけて。
いつもはたいがい何かこう依頼があってとか、こういうミックス作ってくださいみたいな感じで作ることが多い。
で、それがモチベーションの一つになってて、だから作ろうかっていう感じなんですけど。今回の『Whiplash Wave』に関しては、自分が聴きたかったっていうのが。自分が最近チェックしてたような曲を集めてミックスCDを作りたいっていう。
自分が聴くために最初は作ってて、誰かのためにとか何かのためにっていうんじゃなくて、まずは自分が聴くために。
ブラックシープ に参加してからもそうなんだけど、ダンスミュージックを結構聴いてて、そういうのをミックスにしたいっていう欲求はあった。

内容に関して細かく言うと、最近いわゆるトランスミュージック、トランスがまたちょっとリバイバルみたいのがきてて、世代が完全に新しくなってる。で、トランスミュージック聴いてた人もうおじいちゃんみたいなもんだからオレみたいな、流行った頃にリアルタイムで聴いてた人は結構おっさんおばさんになってるので、そうじゃなくて今若い人たちがいわゆる昔のトランスみたいなのをダンスミュージックに落とし込んでるのがあって、ネオトランスとかって言ったりするらしいんですけど、そのネオトランスのトラックとかを聴いてちょっとやってみようかなって。

トランスミュージックは別にそんなに好きじゃないんですよ。ちょっと仰々しいとことかエモーショナルすぎるっていうか、泣きの音楽とか好きですけど、何だろうな、単純にそんなに好きじゃない。
でも、ちょっと今やっぱ現代的な感覚でもって新しい世代がやってると思うんだけど、それを入れてみたっていうか。
そのトランス感みたいなやつはもしかしたらタイトルのWhiplash Waveっていう自分の感覚なのかもしれないですよね。Whiplash Waveっていうのは、Whiplashっていうのは鞭がしなる、Waveはそれが波のようになってっていうことなんですけど。
自分のミックスを聴いた人によく言われるのが、やっぱりニューウェイヴみたいですよねって言われる。
ハウスのミックスですよねって言われるよりもニューウェイヴの影があるっていうか。
そのニューウェイヴのウェイヴをとったっていうのもあるんですけど。
◯◯ウェイヴってよくあるじゃないですか。ヴェイパーウェイヴとか、コールドウェイヴとか。
それはあくまでもニューウェイヴっていう言葉があって、じゃあオレはウィップラッシュウェイヴっていう。

◾︎ エデナの世界みたいだなと思って。トランスって聞いてなるほどなと思いました。

『Whiplash Wave』に関しては、最後日本語の歌が入ってるじゃないですか。あれが肝というか、あれを最後に持ってきてハッとなるっていうか。
あれは最初からあったわけじゃなくて作ってるうちに、これ入れたいなってなったんですけど。
いつか使えたらなあって、それが入れられたっていうことで良かったんですけど。
あの歌詞の中で、サイコロ、回るコマが倒れそうっていうあの歌詞はインセプションなんですけどね。

◾︎ 最初からあの曲に向かっていったわけじゃないんですね。

最後に関してはそうですね。
手前で一回終わってるんですけど、なんかこう、ミックス作る時に一回終わるんですよ。一回バチンて。
バチンて終わるんだけど、最後にやっぱ余韻を残したいっていうか。
ミックスでも、まあそうだな、そうなんですよ。
日常から違う、なんていうかな、日常があってその日常から違うステップにこう移行する感じだと思うんですよ、ミックスって。
違うところに持ってくっていう。一回よいしょって持ってく、でその持って行き方がやっぱそのDJの力量だと思うんですけど。
そういった時に一回どっか持ってったら、もう一回返して戻したいんですよ。聴いてて、例えばすごいぶっ飛んだミックス、異世界みたいでうわあすげえなあって、飛ばされるなあって、でも飛びっぱなしはやなんですよ。もう一回現実に戻ってきて欲しいんですよ。で、それで戻って来て植物の世話したり、猫とか犬の世話とかしてほしいっていうのがあるから、戻ってくる、引き戻すのを最後の方に入れたい。
帰って来て日常に戻って来てほしいんですよね。スーパーに買い物行ったりとか、タバコ買いに行ったり、ビール買って飲んだりとかしてほしいんですよその後に。ミックスを聴き終わった後に。
きっかけを最後に用意しとくからそれで帰って来てって、それに乗って帰って来てねっていうメッセージもある。
その仕掛けの一つなんだよね、終わりの曲は、『Whiplush Wave』のね。

◾︎ いつも最後がまたねって感じですもんね。

そう、またねでもいいし、もう一回聴きたいでもいいんですけど。またふっと現実に戻った時に、あれさっきのなんだったんだみたいな、なんだったんだろうな?ちょっともう一回聴いてみようみたいな感じで繰り返し聴いてもらった方がいいかなと。
(2020年10月)

最新作『RUMBLE』のインタビューはこちらに、あわせてどうぞ
https://shesaysdis.thebase.in/items/35826339

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